必要なモノを必要なだけ
近頃ずっと居座った違和感。
ザワザワだったり胸のつっかえだったり、肩の可動域の狭さだったり。
危険のシグナルは行動にも現れた。
年末は漬け物石の如く、一定の場を守り続けた。
夫はそれを横目に、激オチくん片手に動き回る。
例年の光景だと彼は言うが、ワタシ的には去年はもう少し動いたと思う。
ただスイッチというのは突然押されるもので、
年が明けると共にセカセカと忙しなく動きだした。
なぜか手に取ったのは何年もあたため続けたクローゼットの洋服たち。
行き先も、見せ場もないままに眠っていた彼らに、
外界を旅する時が来たのだ。
きっと“今”なのだと勝手に思っているが、
気持ちもタイミングも重なって生まれた、素晴らしき奇跡の光景である。
時は流れる。
あの時大好きだった彼らは、私のもとでの役目を終えた。
ただ、その輝きは今も去り行くものではない。
私に取って今は必要でないモノも、
この世界中の中では必要としている人がいる。
職人たちがあらゆる技術とアイディアで作り上げた作品は、
今も昔も誰かを魅了しているのだ。
あの時私が支払ったお金というのは、心を躍らせてもらった対価であると同時に、
職人たちへのリスペクトなんだと思い知らされた。
今日また新たな価値を持って、一歩を踏み出す一枚のスカートに
最大の敬意をもって“bon voyage”と伝えたい。
世界は広い…
どんな場所で輝くのか、私はその先の旅を見届けられないけれど、
きっと素晴らしいストーリーが生まれると信じている。
そして、その機会を与えてくれた文明の力(メルカリ)にも心からの感謝を届けたい。
“必要なものを必要なだけ“
まずは手放す事から…